脳神経内科

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脳神経内科とは

脳神経内科とは、脳・脊髄・末梢神経・筋肉の病気を対象とする内科の一分野です。
頭痛、めまい、しびれ、ふるえ、けいれん、物忘れ、歩行障害など、神経系の不調に対して、薬物療法を中心に診断・治療を行います。手術ではなく、内科的なアプローチで神経の病気に対応するのが特徴です。

当院では、以下のような幅広い症状や疾患に対応しています。



  • 脳卒中
  • 認知症
  • パーキンソン病
  • てんかん
  • 頭痛
  • めまい
  • しびれ

脳神経内科で診る主な症状と疾患

もの忘れ

加齢に伴い、物の置き場所を忘れたり、人の名前がすぐに思い出せなかったりすることは、誰にでもある自然なことです。しかし、もの忘れの頻度や程度が増え、日常生活に支障をきたす場合は、アルツハイマー病などの認知症の可能性があります。

正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症、ビタミンB1・B12・葉酸の欠乏による認知症など、治療が可能なケースもあります。
「もしかして認知症かも」と思ったら、早めのご相談をおすすめします。

主な症状

  • 最近の出来事を思い出せない
  • 同じ質問を繰り返す
  • 日付や曜日がわからなくなる
  • 慣れた道で迷子になる
  • 財布や鍵など、物を置いた場所がわからなくなる
  • 自分のものを誰かに盗まれたと疑う

頭痛

頭痛は日常的に多くの方が経験する症状ですが、種類によって原因や治療法が異なります。

片頭痛

頭の片側または両側に、ズキズキと拍動するような強い痛みが現れるのが特徴です。
発作時には、光・音・匂いに敏感になり、日常的な動作によって痛みが悪化することもあります。吐き気や嘔吐を伴うことも多く、いったん痛み出すと寝込んでしまったり、仕事に手がつかなくなったりするなど、日常生活に支障をきたす方が少なくありません。

緊張型頭痛

頭の両側や後頭部に鈍い痛みが続き、肩こりや頭重感を伴うことが特徴です。ときどき発症する反復性の症状と毎日発症する慢性的な症状がありますが、片頭痛のような強く、拍動性の痛みではありません。マッサージやストレッチをして筋肉をほぐすと症状の多くが改善されますが、痛みが続くようであれば鎮痛薬を内服します。

群発頭痛

群発頭痛は、片目の奥に強い痛みが起こる発作的な頭痛で、夜間に出やすく、目の充血や鼻づまりなどを伴います。短時間の激しい痛みが繰り返され、数週間〜数ヶ月続くこともあります。適切な治療で改善が期待できるため、つらい症状はご相談ください。


めまい

めまいは、「ぐるぐる回る」「ふわふわ浮く」「立ち上がるとクラッとする」など、人によって感じ方がさまざまです。
回転性めまい、浮動性めまい、立ちくらみなどのタイプがあり、原因も多岐にわたります。良性発作性頭位めまい症(BPPV)やメニエール病、内耳炎、前庭神経炎など、内耳や平衡感覚をつかさどる部分の障害で起こることが多いですが、まれに脳梗塞や脳出血など、命に関わる脳の疾患が原因となることもあります。

症状が繰り返す場合や、吐き気、手足のしびれ、ろれつが回らないなどの症状を伴う場合は、早めのご相談をおすすめします。

脳卒中

脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで起こる疾患で、「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3つに大きく分けられます。突然の片側のまひ、言葉が出にくい、ろれつが回らない、ふらつき、意識障害などの症状が現れます。発症からの対応が遅れると、命に関わったり、重い後遺症が残る恐れがあります。特に高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などはリスクを高めるため、生活習慣の見直しや定期的な健康チェックが重要です。

突然の症状が現れた場合は、迷わずすぐにご相談ください。

手の震え

手の震え(ふるえ)は、自分の意思とは関係なく手が小刻みに動く症状で、「書こうとすると震える」「手を伸ばすと震える」など、日常生活の中で気づくことが多い症状です。原因はさまざまで、生理的な緊張や疲労、ストレスなどによる一時的な震えから、本態性振戦(ほんたいせいしんせん)やパーキンソン病などの神経疾患が関係している場合もあります。震えの出方やタイミング、その他の症状(動作の遅れ・姿勢の崩れなど)とあわせて評価することが大切です。

歩きづらさ

歩きづらさは、「足がもつれる」「まっすぐ歩けない」「ふらつく」「歩くと疲れやすい」など、歩行に関するさまざまな不調を指します。
年齢とともに筋力やバランス感覚が低下することもありますが、脳や脊髄、神経、筋肉の異常が原因で起こることもあります。たとえば、脳卒中やパーキンソン病、脊髄疾患、末梢神経障害などが関係している場合もあり、放っておくと転倒やけがにつながるリスクがあります。

歩き方に違和感がある、つまずきやすくなったと感じたら、早めにご相談ください。

しびれ

しびれは脳、脊髄・神経根、末梢神経の障害で起こります。
特に、片方の手足のしびれが突然出現したら脳梗塞など脳由来の症状を考えますので、早めにご相談ください。


脳の障害

脳梗塞や脳出血、脳腫瘍など

脊髄や神経根の障害

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など

末梢神経の障害

糖尿病性神経障害や手根管症候群、肘部管症候群

てんかん

てんかんは、脳の神経細胞が異常な電気活動を起こして発作を繰り返す脳の病気です。全身の痙攣発作に限らず、意識がぼんやりする発作や体の一部が勝手に動く発作も含まれます。 脳波検査や画像診断を用いて正確に診断し、抗てんかん薬の内服による症状のコントロールを目指します。


パーキンソン病

手足が震える(振戦)、動きが遅くなる(動作緩慢)、筋肉が硬くなる(筋強剛)、歩幅が狭くなる、姿勢が不安定になる(姿勢反射障害)、表情が硬くなるなどが特徴です。
中年以降に起こることが多い疾患です。薬による治療や発症早期からのリハビリテーションが重要です。


片側顔面痙攣

顔の片側がピクピク動いたり引きつったりする症状は、脳の深部で顔面神経に血管が接触し、神経が異常興奮することが原因とされます。治療法にはボツリヌス毒素治療(ボトックス注射)と顔面神経を圧迫している血管を切り離す外科手術があります。

脳神経内科の診断と治療

検査・診断

脳神経内科では、患者様のお話を伺い(問診)、神経学的診察や画像検査(MRIなど)、さらには電気生理学的検査(脳波や神経伝導検査など)、血液検査を組み合わせて、正確な診断を目指します。 それぞれの検査を通じて、症状の原因を総合的に判断していきます。

治療

疾患に応じて、薬物療法、リハビリテーション、生活指導を適切に組み合わせた治療を行っています。
当院では、患者様お一人おひとりの症状や生活スタイルを十分に考慮し、最適な治療計画を立てています。
さらに治療の効果を確認しながら、継続的なサポートで患者様の健康を支えます。